2008年03月10日
オーガニック食品卸業者さんからのFAX
今日、シフォンケーキの素材でお世話になっている卸業者さんからFAXが届きました。
当店には直接関係のない小売用パッケージ製品に関する案内ですが、理由が詳しく記載されており、これは少しでも関心のある消費者の方が考えを深めていただくのにも参考になるかと思い、紹介させていただくことにしました。
上記の有機オートミール製品は米国産のもので、販売中止の理由は次の4点にまとめられていました。
# 筆者により要約済み。
- 有機JAS申請手続きの煩雑さにより、米国の製造業者が敬遠傾向にあること
- 米国内でのオーガニック市場拡大
- 米国の政策(バイオエタノール生産推進)の影響
- 穀物市場への懸念による、米国業者内での確保推進の傾向
以下、それぞれについて少し考えて見ます。
- 有機JAS申請手続きの煩雑さにより、米国の製造業者が敬遠傾向にあること
- 米国内でのオーガニック市場拡大
- 米国の政策(バイオエタノール生産推進)の影響
- 穀物市場への懸念による、米国業者内での確保推進の傾向
有機JASはご承知のとおり日本のオーガニック認証制度ですが、海外の制度と共通ではありません。
そのため、その国の制度で認証を受けたオーガニック食品であっても、日本で有機食品と認められる(パッケージや広告などで「有機栽培」や「オーガニック」などと表示する)ためには、まず現地の製造業者が管轄の役所(米国の場合、米国農務省)に対して審査請求し、証明書の発行を受ける必要があります。
米国の製造業者が、この諸手続きが煩雑であることから敬遠しているそうです。(実際には、 2. の米国内オーガニック市場の拡大や、4. の在庫確保推進の傾向など、他の理由と絡んでいるのでしょうが)
米国内でもスーパーマーケットで「チャイナフリー(Wikipedia)」食品が出回るなど、消費者の安心・安全志向からもオーガニック市場が拡大しているために、輸出しない製造業者が出てきているそうです。
これまで食糧として麦類や大豆などを生産していた農家さんが、国策としてのバイオエタノール生産推進により、遺伝子組み換えされたとうもろこし栽培に切り替えていくケースが見込まれているそうです。
農家さんの立ち場からは、単位面積当たりの収入が重要な経営指標となるわけですから、残念ですがやむを得ない傾向かもしれません。
これにより、穀物の先物市場が高騰していることから、ゆとりのある農家さんは販売を渋ってしまい、穀物の流通量が大幅に減少しています。
現状は、「販売よりも確保」というのが米国の取り扱い各社の動きとなっているそうです。
すでに国内でも即席めんや大手製パンなどの各社が大幅な値上げを発表していますが、オーガニック市場でも同様に厳しい情報が入ることが多くなっています。
当店は、おかげさまで緩やかながら売上が伸びていますので、現時点では値上げしない方向で踏ん張っています。
しかしながら、実はすでにいくつかの素材が価格改定になっているほか、今月からは燃料高により送料が値上げされたのを負担している状況です。
いずれにせよ、これからも、美味しい食事、美味しいお菓子をいただけるように、それぞれができることを考えて、実践していきたいですね。