2004年09月28日
音来(にらい)の誕生物語
先日、深夜のテレビでドキュメンタリー番組(おそらく再放送)を観ました。
その品質の高さで、業界では世界的にも高名な岐阜県の矢入ギター。番組は、同社による普及品市場への参入物語といった内容でした。
開発するのは、BEGINの比嘉栄昇氏がプロデュースした「一五一会(いちごいちえ)」の普及品。沖縄の言葉から「音来(にらい)」と名付けられ、すでに2004年春から発売されているようです。
印象深かったのは、矢入ギターの職人魂と社長さんの経営感覚との絶妙なバランスです。
普及品(≒量産品)を生産するには、これまでと同レベルのこだわりを保つことはできないけれども、一方で自社ブランドのアイデンティティを維持するには一定の品質を保たなければなりません。
そんなジレンマを胸に、外注先を探すために工場を訪問する社長。1件目は、地元の金融機関から紹介された家具を作ってきた老舗の業者さん。最近は中国メーカーなどに仕事を奪われて苦戦している様子です。
その工場を訪問した矢入社長は、大型機械の導入など、量産体制を重視してきたことで職人の腕が育っていないことに気づきました。先方の社長とも話し合い、繊細な調整を要するギターの生産体制とはそぐわないことを伝えました。
2件目は、地元で木箱の生産を続けてきた工場。こちらは、贈答用の菓子箱など、量産とはいえ手作業の多く残る生産体制を維持しているようです。
矢入社長は、苦労しながらもノウハウを吸収してくれそうなこの会社に期待して、提携を決めました。その結果、予想通り大変な苦労はあったようですが、一定レベルの品質を保った量産体制を実現しました。
「本物が選ばれる瞬間」を目の当たりにした気がしました。
当店も、選ばれる店であるために、本物をご提供し続けられるよう精進しようと思います。
■今日の逸品
一五一会/音来

