2004年11月30日
ヨン様写真集の焼却処分に思うこと
今朝、寝ぼけながらTVのニュース音声を聞いていたら、「ヨン様の写真集12万部を、すべて焼却処分することに……」とのアナウンスが耳に入ってきました。
それを聞いて、数年前に出版社にいた頃のある風景を思い出しました。それは期末の棚卸しの際に倉庫で見た、膨大な書籍の山。
何段にも積み上げられたパレットをタイトル毎にカウントするという延々続く作業の中で、「この山のいくつかは、このあと処分されるんだなぁ……」などと思うと、紙の集団墓地のように感じられたものです。
……さて、寝ぼけながらそんなことを思い出していると、ニュースは「(版元の文芸春秋は、)トラブルの原因は俳優側から使用許可を得ていなかった写真家にあるとして、約1億7000万円の損害賠償請求を東京地裁に起こしました」と続けます。
俳優側に謝罪して、写真家は提訴。シンプルな対応です。文春の記者会見によれば「交渉の末、断腸の思い」での結論だったようですが、どうもすっきりしません。誰か忘れていませんか? これ以上の解決策は見出せなかったのでしょうか?
この問題の主なステークホルダーを整理すると、(見えている範囲ですが)四天王、文芸春秋、写真家、そして忘れてならないのが(初版を買えなかった潜在)読者でしょう。今回の結論に誰が満足して、誰が満足していないでしょう。また、それぞれにどのようなイメージが抱かれるでしょう。
仮に、私が文春の意思決定者だったとしたら(←ありえませんが……)、俳優側には謝罪するだけでなく、肖像権使用料を差し引いた、本来出版社に残るはずの金額をすべて社会還元する形で、販売継続の許可を得るべく交渉したと思います。もちろん、その場合でも写真家は厳しく対処されるべきでしょうが、いわくつきの写真集が販売され続けることが、彼に反省を促し続けることにもなるでしょう。
人気が過熱している状況であるとはいえ、初版5万部がすぐに完売した作品です。当然ながら潜在的な読者は大喜びでしょう。ついでに社会還元というプラスイメージつき。これらはそのまま、俳優側にとっても文春側にとっても大きなイメージアップに繋がることにはならないでしょうか?
まあ、4ヶ月の間交渉したとのことですから、上記の妄想以上のやり取りがあったのかもしれませんが。それでもやはり自分だったら、世の中の役に立つ、全体最適な解決策を見出したいと思えてなりませんでした。
「『顧客満足』に『CSR』。言うは易し、行うは難し」。
面白そうな芸能ニュースだなぁと思い、拝見させていただいたら、ステークホルダーの視点からの考察あり、そして、提案ありで、とても面白かったです。
読者の視点が抜けていた決断だったのですね。
コメント有難うございます。
> 読者の視点が抜けていた決断だったのですね。
もちろん読者の視点も大きいですが、そもそも12万部を焼却処分した場合の「環境負荷」ってどうなんでしょうね。そんな視点から注目したニュースでした。
詳しくはわかりませんが、大手出版社でも日常茶飯事とは言えない数字かと……。
Posted by: shuwary_owner at 2004年12月19日 01:51
